ゆきの物語 第二十四章 大名の思い付き
殿様の同盟軍が隣の国に攻め入ると、隣の国の兵は城へ退却しました。間もなく殿様は大名の城を包囲し、攻撃し始めました。
大名は激高し、言い放ちました。「馬鹿な鬼め、なぜあの時の襲撃で死んでしまったのだ?」
忍者は、「私は鬼のことは存じませんでした」と答えました。
「あの連中は、襲撃が俺のせいだと責めておる!俺が命じたわけでもないのに!」と大名は言いました。
忍者は、「左様でございますか」と言いました。
大名は、「どうすればいい?向こうは多勢である上に、俺の家来どもはあの有様だし、打つ手がない」と言いました。
忍者は、「左様でございますか」と繰り返しました。
「そうだ!忍者のお前なら、敵陣に入って、あの殿と息子を殺すことができるだろう」
「それはそうでございますが、そう簡単にはいきますまい。狐の襲撃の際、私は家来を全て失いましたし、相手方の警護は厳重でございますし…」と忍者は答えました。
「つべこべいわずにやれ!」と大名は命じました。
「はっ、仰せの通りに」と忍者は答え、部屋から出て行きました。