ゆきの物語 第三十八章 評議

次の朝、評議の前に、ゆきは家老のところに行きました。「この二通の手紙を、あの大きな町に送りたいのですが、自分の印章がないので、まだ封じていません。このまま封をして、町へ届けた後で、私に相応しい印鑑を作ってくださいませんか」と聞きました。

家老は、「かしこまりました。ゆきさまのお父上と同じような印鑑ではいかがでしょうか」と答えました。

ゆきは、「それなら、嬉しいです。よろしくお願いします」と、立ち去りました。

少しして、ゆきは若殿と家老の評議に参加し、庄屋との会話のことを報告しました。「その道について、どういう手を講じるおつもりでしょうか。家老どの、父上の時代からあのように荒れた道だったのですか」と尋ねました。

家老は、「良い道というほどはありませんでしたが、今よりはずっとましでございました」と答えました。「当時、それぞれの村は、税の一部を免除される代わりに、道を整備する義務を負っていました。ひょっとすると、後の大名がその取り決めを変えてしまったのかも知れません」と答えました。

若殿は家老に、「現在はどういうことになっているのかを調査してください」と、ゆきの方へ向かいました。「ゆき、このことに伝えてくれてありがとう。昨夜は、つい厳しい物言いになってしまい、悪かったと思っている。狐どのが言ったように、これからはあなたを一人の大人として扱った方がいいようです」

ゆきは顔を赤らめました。「いいえ、遅くなると分かった時点で誰かに言付けを頼むべきでした」と言いました。「でも、私はまだこの国をよく知りません。お腹が大きくなる前に、それぞれの村を訪ねて、さまざまな問題や農民の不満などを直に聞いておきたいと思っています」

若殿は、「ここに止まっ…」と、ふと立ち止って、狐の言葉を思い出しました。「分かりました。しかし今回ばかりは私も一緒に行こうと思います。家老は私の代理として城に残りなさい」

家老は、「馬車がそのような狭くて凸凹した道を通ることはできないと存じます。ゆきどのは乗馬をなさいますか」と言いました。

ゆきは、「馬に乗ったことは一度もありません」と言いました。

若殿は家老に、「馬屋の者に気性の優しい牝馬を選ばせて、出発までゆきに毎日乗り方を教えてやってほしい。それに、それぞれの村に使者を送っておきなさい」と命じました。

それから他のことについても話しました。

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