ゆきの物語 第四十六章 城への帰還

ゆきたちが城に向かう途中、狐に会いました。「狐どの、こんにちは」とゆきは言いました。

狐は答えました、「こんにちは、ゆきどの。申し訳ありませんが、狐子と一緒に参らねばなりません。狐の評議がありますので」

ゆきは、「狐の評議ですか。狐子ちゃんに何か問題でも起こりましたか」と聞きました。

狐子は、「別に、心配しないで。きっと鬼を退治した時のことね。すぐに帰って来られると思うわ。それでは行ってきます」と、狐の姿に戻り、父親と一緒に歩き出したかと思うと、あっという間に消えました。

しばらくするとゆきたちは城下町に着きました。老若男女、町中の人々が道に並んで待っていました。その中を通って城へ向かう間、大きな喝采が止むことはありませんでした。一方、城内はとても静かでした。ゆきは城のあちこちから悪意に満ちた目で眺められているように感じました。

そんな時、ふと見覚えのある顔に気づきました。女将がゆきの方に歩いて来ました。「女将さん!来てくれたのですね!やっと願いが叶いました!」と、泣き出しました。

女将は、「ゆきさま、お待ちしておりました。どうか落ち着いてください。身重のお体ながら国のあちらこちらに参られて、さぞやお疲れでございましょう。馬からお降りになって、お部屋にお戻りください。湯殿の支度を整えてございます」と、ゆきが馬から降りるのを手伝い、部屋へ連れて行きました。

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