第三十三章
面白い本はどこだ?
仕立て屋がゆきの採寸をして、狐子が着物を着替えると、ゆきは言いました、「あの、すみません。面白い本を手に入れるには、どこへ行けばいいのでしょう」
呉服屋は、「時々、本を売る行商人がこの町に参りますが、残念ながら今はおりません。兄さん、どう思う?」と言いました。
仕立て屋は答えました、「本さえお借りできれば、この町にいる代書屋が本をお作りいたしますよ。どのような本をお探しでしょうか」
ゆきは、「『源氏物語』が大好きなんです。この町には、そんな本を持っている人がいますか」と聞きました。
仕立て屋は、「この町の庄屋さまは、なかなかの読書家だとの評判ですので、そのような本をお持ちかもしれません。お前、どう思う?」と呉服屋に聞きました。
呉服屋は、「その通りでございます。それに、代書屋なら誰がどんな本をお持ちなのかを知っているでしょう」と答えました。
ゆきは、「その方々はどちらにいらっしゃいますか」と尋ねました。
呉服屋は、「代書屋の店は、市場の反対側でございます」と言いました。
仕立て屋は、「はい、それに、ちょうどよいことに、さっき私がこちらに戻って参ります途中、この店の前で町の庄屋さまが立っていらっしゃるところをお見受けいたしました」と加えました。
ゆきは、「そうですか。では、参りましょう」と、店を出ようとしましたが、途中で足を止めて、商人たちへもう一度向きました。「呉服屋さん、私を庄屋さんに紹介してくたせさいませんか」
呉服屋は、「ゆきさまのお役に立つことができるならば光栄でございます」と言い、ゆきと狐たちに連れ添って行きました。